廃業で全てを諦めるのか、それとも譲ることで大切なものを守るのか
⽬次
- 1. 「畳む選択肢」
- 2. 「譲る選択肢」
- 3. 3つの事例から考える 「畳む選択肢」と「譲る選択肢」の検討の仕方
- 4. 「畳む選択肢」と「譲る選択肢」を考えることの意味
- 5. 関連情報
- 5-1. 著者
昨今、新型コロナウィルスの感染拡大により、長引く外出自粛や休業要請などで需要が急減し、資金繰りが厳しくなり、このまま経営し続けることに、ふと「限界かもしれない」と感じた経営者は少なからずいらっしゃると思います。 知らぬ間に資金繰りが悪化し、どうにもこうにも立ち行かなくなり、倒産せざるを得なくなる。最悪な状況を回避するために、一度ご検討頂きたいのが、会社を「畳む選択肢」と「譲る選択肢」です。
「畳む選択肢」
会社を「畳む選択肢」を考える上で、考えなければならないことは、“迷惑をかけない廃業”ができるかどうかです。取引先・金融機関・従業員・家族等々に迷惑をかけないか。もちろん、お金の面の問題を解決さえすれば、迷惑をかけないのかと言うと、そうではありません。長年勤めてきた従業員の再就職支援や、社長ご家族の理解も必要ですし、当面の生活費の確保も重要です。
貸借対照表の左側の「資産」を換金し、右側の「負債」を全て支払えれば、廃業ができます。「負債」を支払えなければ、事実上の倒産となります。
「譲る選択肢」
「譲る選択肢」とは、親族、従業員以外の第三者への承継の選択肢です。 第三者への承継は、社員の雇用を維持しながら、取引先や顧客などへの影響も抑えつつ、円滑に事業を継続できることが、多くの経営者に選ばれているポイントです。
従業員の継続雇用、会社のビジョン、譲渡価格等条件面等の折り合いがつき、譲り受ける相手がいてこその譲渡ですから、交渉して合意に至るまで、さらには引継ぎ方法や期間も含めて、ある程度の時間を見込んでおく必要があります。
3つの事例から考える 「畳む選択肢」と「譲る選択肢」の検討の仕方
「畳む選択肢」と「譲る選択肢」の検討の仕方を実際の事例からご紹介します。
事例1:廃業したらどうなるか、廃業費用のシミュレーションをする
事例2:当社を譲り受けてくれる会社があるのか、期限を決めて動いてみる
事例3:本を読む、セミナーに参加する等、自ら情報収集を行い、全体像を捉える
「畳む選択肢」と「譲る選択肢」を考えることの意味
「畳む選択肢」と「譲る選択肢」について考えることは、会社の将来を考えること、家族、従業員、顧客、社長ご自身にとって何が大切かを考えることだと思います。
どれだけ悩んでも、現状を変えることはできません。 まずはどう行動を起こすか。 ご紹介した3つの事例からご自身に合う一歩を踏み出して頂けたらと思います。